既約分数の和の求め方|中学受験算数の難問をオイラー関数で解く

既約分数の和の求め方|中学受験算数の難問をオイラー関数で解く

中学受験算数の難問の中には、大学数学の入り口である「数論」の考え方を活用すると、驚くほどスッキリ解けるものが存在します。今回はその代表例である「既約分数の和」の攻略法を解説します。「1つずつ書き出して調べるのは時間がかかる…」と感じる問題こそ、数学的な構造を味方につけることが大切です。

今回の問題

次の分数列の中で、これ以上約分できない分数(既約分数)をすべて足すといくらになりますか?

$$\frac{1}{200}, \frac{2}{200}, \frac{3}{200}, \ldots, \frac{199}{200}$$

ステップ1:分母を素因数分解する

約分ができるかどうかは、分母と分子が共通の割り切れる数(公約数)を持つかで決まります。まず、分母の200がどのような素数で構成されているかを調べます。

$$200 = 2^3 \times 5^2$$

この結果から、分子に「2」または「5」の因数が含まれているときに約分が可能であることが分かります。つまり、既約分数とは、分子に「2の倍数でも5の倍数でもない数」を持つ分数のことです。

ステップ2:既約分数の「個数」を求める(オイラー関数)

ベン図を書いて数えることもできますが、ここで大学数学の知恵である「オイラー関数 φ(n)」の考え方を導入します。これは、ある数 n と互いに素な(最大公約数が1である)数の個数を一発で計算する公式です。

分母が200の場合、素因数である2と5を使って以下のように計算できます。

$$\phi(200) = 200 \times \left(1 - \frac{1}{2}\right) \times \left(1 - \frac{1}{5}\right)$$

これを計算すると、

$$200 \times \frac{1}{2} \times \frac{4}{5} = 80 \text{(個)}$$

これで、足すべき既約分数は全部で80個あることが一瞬で導き出せました。

ステップ3:「対称性」を利用して一気に合計する

80個の分数をすべて書き出す必要はありません。既約分数の分子には「両端の数を足すと分母(200)になる」という美しい対称性があります。

例えば、次のようなペアが作れます。

$$\frac{1}{200} + \frac{199}{200} = \frac{200}{200} = 1$$
$$\frac{3}{200} + \frac{197}{200} = \frac{200}{200} = 1$$
$$\frac{7}{200} + \frac{193}{200} = \frac{200}{200} = 1$$

既約分数が全部で80個あるということは、「和が1になるペア」が合計で 80 ÷ 2 = 40 ペアできるということです。

したがって、すべての和は

$$1 \times 40 = 40$$

となります。

まとめ:算数から数学への繋がり

今回のポイントを整理すると、以下の3つのステップになります。

  • 素因数分解:分母200を 23 × 52 と分解し、因数を特定する
  • オイラー関数:φ(200) = 80 個であることを公式で導く
  • 対称性の活用:和が1になるペアが 80 ÷ 2 = 40 組あることを利用する

一見すると力技が必要そうな問題も、数学的な視点を持てば美しく解くことができます。算数と数学の繋がりを意識して、思考力を磨いていきましょう。

参考資料

動画でじっくり学びたい方はこちら:

「これが最強の解き方 オイラー関数を小学生に導入します。Φ(ファイ)」

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