「高さが分からない台形」、あなたならどう解きますか?

台形の面積=(上底+下底)×高さ÷2という公式は、誰もが知っています。しかし、肝心の「高さ」が分からない台形が出てきたとき、あなたならどう解きますか?

今回は、愚直に高さを求めて計算する「王道の解法」と、図形の本質を見抜いて数秒で解く「別解」の2通りで考えてみましょう。

【問題】

上底13cm、下底26cmの台形があります。図のように、斜辺の一部に直角の印がついています。この台形の面積を求めなさい。

13cm 10cm 24cm 26cm
問題の台形。左上の頂点で10cmの辺と対角線24cmが直角に交わっている

【ヒント】

  • 直角マークのある部分に、辺の長さがわかる直角三角形が隠れていないか探してみましょう。
  • 台形に対角線を1本引くと、上下2つの三角形ができます。この2つの三角形には、共通する「あるもの」があります。

【解答】

180cm²

【解説】

解法①:高さを逆算する(王道の解法)

まずは公式通り、高さを求めて解く方法です。

ステップ1:直角三角形の面積を先に求める
図の直角マークに着目すると、底辺10cm・高さ24cmの直角三角形が見つかります。

10 × 24 ÷ 2 = 120cm²

実はこの直角三角形、斜辺の長さがちょうど26cmになっています。台形の下底と同じ長さです。この一致が、この問題を成立させている仕掛けです。

ステップ2:台形の高さを逆算する
この直角三角形の「26cmの辺」を底辺とみたときの高さを求めると、これが台形全体の高さと一致します。

26 × 高さ ÷ 2 = 120
高さ = 12013 cm

10cm 24cm 26cm 120cm²
台形から抜き出した直角三角形。10cmと24cmの辺(直角)に対して、斜辺がちょうど26cmになる

ステップ3:台形の公式にあてはめる

(13+26)× 12013 ÷ 2 = 39 × 12013 ÷ 2 = 180cm²

正しく解けましたが、途中で分数が登場して少し計算が面倒です。

解法②:底辺の比と「高さ共通」に着目する(別解)

視点を変えて、台形に対角線を1本引いてできる「上の三角形」と「下の三角形」に注目してみましょう。

13cm 26cm 60cm² 120cm²
対角線で分けた上の三角形(60cm²)と下の三角形(120cm²)。高さが共通なので底辺の比=面積の比

上底と下底は平行なので、この2つの三角形は高さが共通です。高さが同じ三角形同士の面積比は、底辺の長さの比と一致します。

底辺の比 = 13:26 = 1:2
面積の比 = 1:2

下の三角形の面積はすでに120cm²と分かっているので、上の三角形の面積は計算するまでもなくその半分の60cm²です。

60 + 120 = 180cm²

高さを求めることなく、ほんの数秒で解くことができました。

この問題から学べる思考のポイント

  • 「何が何でも高さを出さなきゃ」と思い込むと、複雑な分数計算に捕まってしまう
  • 平行線がある=高さが共通な三角形が隠れている、という視点を持つ
  • 高さが共通なら「面積比=底辺の比」がそのまま使える

パターン暗記ではなく、図形の本質を見抜く視点を持っておくことで、入試本番でも計算ミスを防ぎ、圧倒的なスピードで完答できるようになります。

この解説は、YouTubeチャンネルでも動画で詳しく取り上げています。
【脳トレ】小学5年生でも一瞬で解ける面白い図形問題

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