図形問題で「対角線」が出てきた瞬間、身構えてしまうお子さんは多いのではないでしょうか。でも実は、対角線には「面積を等しく分ける」というとてもシンプルな性質が隠れています。今回はこの性質と相似の考え方を組み合わせるだけで、たった5分で解ける灘中学校の入試問題をご紹介します。

まずは動画で全体の解説をご覧いただけます。記事とあわせてご覧いただくと、より理解が深まります。

今日の問題:灘中学校の図形問題

縦15cm、横21cmの長方形ABCDの対角線AC上に点Fを取り、長方形AEFGを作ったところ、台形EBCFの面積が140cm²になりました。このときAEの長さは何cmでしょうか。

  • 長方形ABCD:縦15cm、横21cm
  • 対角線AC上に点F
  • 長方形AEFG(点Eは辺AB上、点Gは辺AD上)
  • 台形EBCFの面積=140cm²

この問題を解くカギは「対角線」と「相似」

この問題は、次の4つのステップで解いていくことができます。一つひとつの意味を理解しながら読み進めてみてください。

ステップ① 対角線が生み出す「面積の等しい関係」

長方形を対角線ACで分けると、△ABCと△CDAの面積は必ず等しくなります。同じように、小さな長方形AEFGも対角線AFで2等分されるため、△AEFと△AFGの面積も等しくなります。

大きい方の等しい面積から、小さい方の等しい面積をそれぞれ同じだけ引くと、残った部分――台形EBCFと台形GFCDの面積も等しくなります。つまり、台形GFCDの面積も140cm²だとわかるのです。

ステップ② 長方形AEFGの面積を求める

長方形ABCD全体の面積は、15cm×21cm=315cm²です。ここから2つの台形の面積(140cm²×2=280cm²)を引くと、長方形AEFGの面積が求められます。

315cm²-280cm²=35cm²

ステップ③ 相似を使って縦と横の比を突き止める

△ABCと△AEFは、辺EFが辺BCと平行であるため、ピラミッド型の相似の関係にあります。相似とは「形が同じ」ということ、つまり対応する辺の比が等しいということです。

△ABCの縦と横の比は、15:21=5:7。したがって、AE(縦)とEF(横)の比も5:7になります。

ステップ④ 比の1単位の大きさを求めて答えを出す

AEを⑤、EFを⑦とおくと、長方形AEFGは5マス×7マス=35マスの正方形グリッドとみなすことができます。

※図はここに挿入(5×7のマス目と、1マス=1cm²であることを示す図)

面積35cm²の中に35マスあるので、1マスの面積は35cm²÷35=1cm²。つまり①=1cmです。よって、AE=⑤=5cmとなります。

別解で検算しよう(△の面積比を使った算数的な解法)

先ほどの答え「AE=5cm」が正しいか、三角形の面積比を使って検算してみましょう。

相似な図形どうしの面積の比は、相似比を2回かけ合わせたものになる、という性質があります。この性質を使って確かめていきます。

まず、△ABCの面積を求めます。15×21÷2=157.5cm²です。

次に、△AEFの面積を求めます。長方形AEFGは対角線AFによって面積が半分に分けられるので、35÷2=17.5cm²です。

この2つの面積を比べると、157.5:17.5=9:1になります(両方を17.5で割ると求められます)。

相似な図形の面積比は相似比を2回かけ合わせたものなので、「□×□=9」となる□の数を考えます。3×3=9なので、相似比は3:1だとわかります。

つまり、AB:AE=3:1です。AB=15cmなので、AE=15÷3=5cm

マス目を使った解き方と同じ答えになり、正しさが確認できました。

まとめ:この問題から学べる「型」

今回のポイントは、「対角線は面積を等しく分ける」という性質と、「相似は対応する辺の比が等しい」という2つの基本を組み合わせることでした。この2つの視点は、灘中に限らず多くの図形問題で応用できる考え方ですので、ぜひお子さんと一緒に「なぜそうなるのか」を言葉で説明する練習をしてみてください。

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