「正方形」という問題から気づく、思考の本質
先日おこなわれた算数オリンピック・ジュニア予選。本番後に受講者から「あの問題、授業でやったやつに似てた!」という声が何問も上がりました。
実際に見比べてみると、問題の核心にある考え方がほぼ同じでした。今回はその2問を並べながら、「なぜ同じアプローチで解けるのか」を解説します。
📐 授業でやった問題

🔑 解法のポイント
図をよく見ると、斜線部分はそれぞれ中央にある三角形と合同(面積が等しい)な三角形になっています。
各斜線の三角形を回転させて中央の三角形に重ねると、底辺と高さがぴったり一致します。
同じ長さの使い方の1つ「回転してくっつける」です。

- 斜線部分の三角形 = 中央の三角形(面積が等しい)という関係が成り立つ
- 「回転させてくっつける」という発想で、複雑な形を単純な三角形に帰着できる
この「移動・回転させて等積変形する」考え方が、この問題を解く核心です。
🏆 算数オリンピック・ジュニア予選の問題(問題9)
六角形ABCDEFの面積は 90cm²。四角形ABHG・CDIH・EFGIはすべて正方形で、それぞれの面積は図の通り(各25cm²と10cm²)です。
三角形GHIの面積は何cm²ですか?

🔑 解法のポイント
この問題も、図の中に「同じ面積の三角形が散らばっている」構造に気づくことがカギです。
- 六角形の面積 90cm² = 3つの正方形 + 3つの小三角形 + 中央の三角形GHI
- 3つの正方形の面積の合計 = 25 + 25 + 10 = 60cm²
- 残りの面積 = 90 − 60 = 30cm² が、3つの小三角形 + 三角形GHIの合計
- 各小三角形は三角形GHIと面積が等しい(等積変形で確認できる)
- よって 30cm² ÷ 4 = 7.5cm²
正解は 7.5cm² です。
💡 2問に共通する「図形センス」とは
2問に共通するのは、「図形を移動・回転させたとき、面積が等しくなる部分を見つける」という発想です。
公式を当てはめるのではなく、図の中に隠れた対称性や等積関係を見抜く力——これが算数オリンピックで問われる「図形センス」の正体です。
授業で扱った問題が予選本番と重なったのは偶然ではなく、良問には共通のエッセンスがあるということの表れだと思っています。
こうした思考力を養う授業を、さんよび算数教室では日々積み重ねています。


